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2025年1月20日、米ワシントンで開かれた大統領就任パレードの屋内イベントを出発するトランプ大統領=AP

 米国のトランプ新政権が、カリブ海の社会主義国キューバに対するテロ支援国家指定の解除を取り消した。バイデン前大統領が退任目前に解除の決定を行ったばかりだった。翻弄(ほんろう)されるキューバは強く反発している。

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 米メディアによると、テロ支援国家指定の解除取り消しは、トランプ政権発足の20日に決まった。トランプ氏やルビオ新国務長官は元々キューバに強硬で、バイデン氏が14日に解除を決めた時から、トランプ政権が判断を覆す可能性があるとみられていた。

 キューバのディアスカネル大統領は自身のX(旧ツイッター)に「真実を無視した傲慢(ごうまん)な行為だ。彼(トランプ氏)の目的は、支配を目的としたキューバに対する残酷な経済戦争を強化し続けることだ」と反発した。キューバは米国による長年の経済封鎖で疲弊しており、指定解除を歓迎。政治犯とみられる553人の囚人を釈放すると応じ、著名な野党指導者などが釈放されていた。

 AFP通信によると、キューバと良好な関係を持つ中国の外務省報道官は21日、テロ支援国家指定の解除を取り消したトランプ政権の決定について、「米国の覇権主義的、高圧的な面を完全に露呈している」と批判した。

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